悲劇の朝


今日、朝6時。いつもの様にアッシュは目を覚ました。
…ふと。

「…誰か起きてるんスかね…?」

寝起きのせいか、よくは聞こえなかったが、その大きな狼の耳に。紛れも無く聞こえ
たその音は。
確かに、それが誰かは解らなくとも…足音。

「…ま、まさか、泥棒…なんて事は…」

確かに、そうかもしれない…と思うと、アッシュは息をのみ。
その足音に耳を傾けて。

…10分後。

「うわああああああああああっ!?」
「!?な、何スか!?」
一度は驚いたものの、すぐさまその声が自分の知っている人の声だと気付く。

 …ユーリ。彼が。

−−−「ど、どうかしたっスか、ユーリ!?」

アッシュは、その声に戸惑いを感じもしたが、とりあえず何事かわからない事には
なにも始まらないので、その場に走った。

彼…アッシュが、耳に聞こえたかすかな音でたどり着いた先は。
…洗面所。
その場には確かにユーリがいて。

「ううう…ど、どうなっているんだ…」

そう、その場に確かに彼はいた。いや、正確にはいるにはいたといった方が正しいのか。

「…ゆ、ユーリ…??」

「アッシュ!?み、見るな!!」

今さら言われてももう…とアッシュは思った。
だってもう、見てしまったのだから。
…変わり果てたその、彼の姿を。
あの細い、ぴんと立った凛とした耳が、…膨れている。
そう、まるでアッシュのように。

「…ユーリ…いつからそうなったんスか…?」

「…見たのか……」

少し疲れた顔をして、ユーリが続ける。

「どうなっているんだ。」

質問返し。ふいをつかれたが、きちんと返す。

「オ、オレに聞かれても…」

そう言いかけた、アッシュに鋭い彼の目線。
どうも、アッシュはその眼が苦手で、見つめられると避けられない。
…というよりも避けようが無い。

…何か対策法は無いのか、本当にお前は何も知らないのかと。
言わんばかりの冷たい目線。

「…本当に、わかんないンスよ…」

………。

ユーリはその言葉と、目の前にいるバンドメンバーの身体の変化に気付き。
さらに、その後ろの何かに気付き。
…向こうをむいて。

「アッシュ、…疑って悪かった。」

「…はい…」

すると。
ユーリの後ろに見慣れた影。

「…あ、あははははは!!!!な、ナンつーの?
ちょっと試してみたかったーミタイナ???」

…スマイル…そう…彼が。

「………。」

バカさに乾杯。
その後は、察しのとうり。

…それにしても恐かった…
そんな事を思いつつ。
いつものように洗濯物を干して、
アッシュはまた一つ恐怖を知った。




結監様より戴きましたvvありがとうございます☆

* 戻る *





SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送