買い物。


「狼の…エサ…」

午後6時。
アッシュはいつもの様に買い物に行っていた。

…その日は、あいにくの大雨、
本当は、しょうがないから買い溜めしておいた食材で済ますっスかねと思っていた。

…しかし。からからになりつつある年期の入った食材で、
メンバーが許してくれる筈も無く。
その時の後ろからの、絶え間なく繰り出される、
…冷たい、あのオーラ。
言葉に出されずとも、空気で解る。

…お前はまさか今日買い物にいかぬとでも言うのか?
あんな食材でいったいどんな料理を作るつもりだ…
腹を壊して練習もままならなくなるのではないのか。

…絶え切れなかったのである。

そして結局、この大雨、
いつも行っている遠くのスーパーにはさすがに行けそうになかったので、
気に入ってない近くの店にしぶしぶ行く事になったのだった。

…が。
相変わらずの、この店の雰囲気といったら。

…アッシュは、この店だけはいくら一番城から近いと言っても、
また再びこの店に来る気はさらさらなかった。
何故か。…食品売り場。問題はここである。
ここに、いつもといって良いほど、それはもう当たり前に置かれている、
そう、あれが。
あれだけは、さすがになんど来ても、
来るたびに怒りを覚えた。

…ペットの、エサ。
しかも、今日は。

「最悪…」

置かれているエサには不信感を抱かずにはいられなかった。
そして、そこから逃げださんばかりで。

…狼の、エサ。

……どこに、そんな物好きな出品者がいるというのか…。
そんな事を思いつつ。
…ため息を一つ。
そして、目線をなるべくそちら側には向けじと。

無意識に自分が、早足になっている事にも気付かず。

…が、しかし、だ。この店。

実に何度来ても不思議な店である。
…あの時はイグアナのエサだったか。そんな事はどうでも良いが。

……二度と来るまい。

そう、アッシュは心に誓うのであった。




結監様より戴きました!ありがとうございますv

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